2022年03月08日

本日3月8日は【三板の日】

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こんにちは!あやはびる堂の古田です。3月4日は【三線の日】と、その数字の語呂合わせからいわれて、随分久しいですね。毎年、三線の日には沖縄各地あるいは、県外各地で催し物・イベント等が行われています。この語呂合わせ記念日に派生して、本日3月8日は【三板(さんば)の日】とされています。

今日のブログでは、この三板について書いてみようと思います。

そういえば、三線という楽器は、元々中国の撥弦楽器【三絃(サンシェーン)】が沖縄に伝来し、独自の発展を遂げ、それから、今度は江戸時代の始め頃に大阪・堺に伝わり、三味線に発展していくという歴史。三線を愛好する方にはよく知られているお話です。

ところが、三板についてはあまりその歴史やルーツ的なお話は知られていないですね。

調べてみると、こちらもやはり中国がルーツのようです。いろんな形のものがあるようですが、中国では今も、【快板】と呼ばれる楽器があり、Amazonにも販売しています。





ところが、この楽器は、竹でできていて、二枚の板と五枚の板の二セットあって、両手でこれらを操るものだとか。三板というよりは、同じ沖縄の打楽器で琉球舞踊に頻出する【四つ竹】に近いものといえますね。

実は、三板が今のように、黒木や紫檀といった三線の棹材で作られるようになったのは、戦後になってからのようで、わたしたちもよく知っている三線レジェンド【登川誠仁】さんが、音質や奏法の向上を追及した結果とも言われています。

この辺は、実際にその時代に居合わせたわけではないので、明確なルーツを探るのは難しいですね。

わたしなりの、独自の見解としては、やはり、三線のカチャーシーのリズム、【三連符中抜き】を、板の打撃で再現するには、この3枚の板が不可欠だったということだと思います。絶妙な連続打撃音が、この3枚の板で可能にしていると思います。

やはり、沖縄独特のグルーヴ感が、楽器そのものを改良に向かわせたというのが、正解なのでしょう。こんな簡単な構造なのに、複雑なリズムが奏でられる、世界でも稀にみる打楽器だとわたしは思います。

そんな三板は、弊店でも4種類ご用意しています。↓↓↓
https://ayahabirudou.base.shop/categories/4217705

また、あやはびる堂YouTubeチャンネルでは、この4種の三板の音色の違いについても、実演でご紹介しています。是非ともチェックしてみて下さいませ!


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あやはびる堂 

〒130-0024
東京都墨田区菊川1-17-7 三稲総業ビル1階
都営地下鉄大江戸線・新宿線 森下駅A5出口より徒歩5分

電話 03-5809-7546
ファクス 03-3633-3814
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2021年09月19日

【三味線ことわざ】風が吹けば桶屋が儲かる

こんにちは。あやはびる堂の古田です。
皆さんは、【風が吹けば桶屋が儲かる】ということわざをご存知でしょうか?
ある現象が起きることによって、一見全く関係のないことに影響を及ぼすことを喩えていることわざらしいです。現代社会でも、株などの投資家さんたちの間でよく使われていることわざみたいですね。まあ経済現象もまさしく、全く繋がりのない出来事が、実は原因だったりしていることってあるのでしょう。

さて、この風が吹けばから桶屋が儲かるまでのメカニズムが面白くて、

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1.風が吹けば、土埃がたちそれが目に入って、目を患う人が増え、盲人が増える。
2.盲人が増えると、三味線の門付けを生業とする人が増え、三味線の需要が増える。
3.三味線の需要が増えると、材料である皮が必要となり、猫皮が消費され、猫が多数減る。
4.猫が減ると、ネズミが増えて、桶を沢山かじる。
5.桶がネズミにかじられるため、桶の修理が増えて、桶屋さんに依頼が増え儲かる。
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なんとも巡り巡っての結果なのですが、このことわざには一言も出てこないのですが、ここで三味線が深く関わっているのです。このことわざは、江戸時代にできたもの。その時代背景も想像できて、とても興味深いですが、よくよく考えてみると、土埃でそれほど盲人が増えたとも思えませんし、その連想も若干突飛すぎるのかなとも思えます。

興味深いのが、三味線=盲人というイメージはこの時代ならではの発想ではないでしょうか。三味線とは盲人が弾く楽器というイメージが、この時代強く根付いていたことがわかる。そんな気がします。そこに、三味線の陰のイメージというのがなんとなくありますね。そういう時代だったのでしょう。

今では、猫の皮はあまり使われることはありません。さらに、盲人でもそういう陰のイメージではなく、これは三味線に限らず、世界中に各ジャンルに盲目の優れた音楽家沢山いますね。
ゴンチチの松村さんが書かれた本が、とても面白かったのでご紹介しておきましょう。
これをガイドブックに、盲目の世界中の音楽家の音楽を聴いてみるものいいかもしれませんね!
盲目の音楽家を捜して
チチ松村
メディアファクトリー
2001-03T



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2021年09月13日

【コロナ対策】飛沫防止スクリーンが来ました!

こんにちは。あやはびる堂の古田です。
弊店も2月に復活して以来、半年が過ぎましたが、依然としてコロナ禍の真っ最中であり、なかなかお客さまをお招きすることも最小限度にとどめていたところでした。最近になり、ここ数年ライブイベントなどで、サポートさせていただいている唄者の皆さんと、打ち合わせだったり、リハーサルだったり、はたまたライブ配信などもやるようになってきました。お越しいただくお客さまの皆さんに、安心して来ていただけるように、この度飛沫防止スクリーンを導入しました。
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このように、弊店にあるダイニングテーブル上において、十分にカバーできるものです。
さらに、こちらのスクリーンは、立っているシチュエーションでも使える2Wayタイプのもの。

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このように、立った状態でもしっかりと仕切ることが出来ます。

さらに、ケースに収納して持ち運びも可能です。
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これなら、出先にも持って行って、設置することが出来ますね。

ワクチン接種も進み、着実にコロナ禍収束に向かっていることを、切に願いたいところです。わたくし自身は、家族も含め2回のワクチン接種も済んで、まずはひと安心なんですが、周りに罹患者が出始めていて、もう身近に迫ってきているのを、ひしひしと感じているところです。まだまだ、マスクの携行と、このような飛沫防止対策は、当分のあいだ、必須の行動といえるでしょうね。

皆さんをお招きする立場として
しっかりとやって参ります




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2021年09月10日

成田雲竹&高橋竹山の民謡コンビ

こんばんは!あやはびる堂の古田です。
今日のブログでは、津軽三味線の巨匠、初代・高橋竹山のCDをご紹介しましょう。
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他にも持っていますが、とても興味深いな!と聴いた当初思ったのが、このCDです。
津軽民謡の神様とも呼ばれた、成田雲竹(歌)とのデュオでのCD。つまり、歌と三味線のデュオという形でのセッションが収められています。

CDに入っているブックレットやネット上の情報を拾ってみると、昭和25年(1950年)より二人はコンビを組み、各地を興行をスタート。この頃に、雲竹より【竹】の字をもらい、竹山の芸名を名乗ったということです。このCDは昭和29年より放送された、青森のラジオ番組「民謡教室」で録音されたテープから収録された、当時の貴重な音源と言います。放送開始当初は、当時テープが貴重品だったため生放送でスタートしたのですが、翌年以降再放送を考慮に入れて収録されるようになったとのこと。実際には、ラジオのリスナーに向けて生演奏をしていた貴重な音源といえるでしょう。

番組が「民謡教室」とあるように、1曲ごとに、雲竹先生の解説が。この解説のお言葉も、実に青森訛りが入ってて、とても味わい深いです。おそらく、ソーラン節が収録されているので、この第2集を手に入れたんだと思いますが、実際には5集出ていました。Amazonでは、残念ながら、3集と5集しかないようですね。。。

民謡うたがたり(3)
成田雲竹
日本コロムビア
1999-11-20



民謡うたがたり(5)
成田雲竹
日本コロムビア
1999-11-20



5枚とも、ジャケットには版画家・斎藤真一の絵が使われていて、わたしが持っている2集は、有名な「瞽女」(ごぜ)と呼ばれた女旅芸人の三味線を抱えて雪の中をゆく絵が使えわれています。

2曲目の南部牛方節。この曲では、竹山が三味線を置いて、尺八一本で伴奏をつけている!これが、ほんとうに驚きました。尺八も吹ける竹山にも驚いたのですが、歌と尺八がほぼユニゾンで進行していくスタイルが、とても斬新で前衛的に聴こえました。素晴らしいですね!

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2021年09月03日

チンドン音楽に三線・三味線あり!

こんにちは。あやはびる堂の古田です。
今日は、チンドンのCDをご紹介。
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みなさんは、チンドン屋さんをご覧になったことありますか?最近はめっきり見かけなくなりましたが、ここあやはびる堂のある森下界隈では、何年かに1回のわりで、パチンコ屋さんやドラッグストアの前でチラシを配ってるチンドン屋さんを見かけることがあります。

チンドンというのは、大小の平たい太鼓や鉦(カネ)といった鳴り物を上下に並べ、上には和物の傘をさしたものを紐などでお腹側に抱えて、叩き鳴らす打楽器。チンドン屋の起源は江戸時代末期といわれ、このチンドンに三味線や笛などが加わり、にぎやかに奏でながら江戸の市中を練り歩くスタイルが原型のようです。

やがて、このチンドンの楽隊が町の商店などに雇われて、広告宣伝の役割を担っていくようになります。メロディを奏でる役割を担ったのが主に三味線でしたが、戦後辺りから、音量が小さいために、次第にサックスやクラリネットの西洋の管楽器が使用されるように。この和洋折衷の混成編成のアンサンブルこそが、チンドン音楽の真骨頂といえます。

80年代、90年代に入ると、このチンドン音楽の再興のムーブメントが起きます。様々な楽器が使われるようになるわけですが、サックスやクラリネット等の洋管楽器と、三味線がユニゾンでメロディを奏でるサウンドは、独特のグルーヴ感があります。日本の音楽には、元々合唱やコードといった和音を奏でる音楽というのが極めて少なく、チンドンのリズムと、管楽器と三味線のメロディだけで、音楽を成立させてしまうのが特徴。チンドン音楽は、まさにこの日本の音楽の基本形を貫いているのが素晴らしいところですね。もちろん、最近のチンドン音楽では、和音も頻繁に使われています。

わたしが、初めてこのチンドン音楽に興味を持ったのが、ソウル・フラワー・モノノケ・サミットのCD。ご存知「満月の夕」で有名な、関西のロックバンド【ソウル・フラワー・ユニオン】。このバンドが阪神淡路大震災に直面し、被災地へ慰問に回った際に、全て生楽器でチンドンスタイルをとったのがこの【ソウル・フラワー・モノノケ・サミット】です。この編成にはバンドのフロントマン・中川敬さんが、本来のエレキギターから三線に持ち変えて、チンドン草創期の名曲などを演奏しています。

さらに、このソウル・フラワーよりも前に、三線を使ってのちんどんスタイルを披露したのが、沖縄音楽界の巨匠・大工哲弘さんの『ウチナージンタ』です。
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わたし自身は、この中の曲「カチューシャの唄」が好きです。曲の後半に、鳴り物と、三線とクラリネット、チューバがユニゾンで鳴りだし、チンドンのリズムが合わさるところが、なんともいえない高揚感があります。

左のソウル・フラワーのCDでは、チンドン音楽の超スタンダードナンバー、「美しき天然」が収録。三線の演奏もシンプルなので、是非ともコピーすることをおすすめします。

※ソウル・フラワーのチンドン音楽2枚がこちら↓↓↓
アジール・チンドン
ソウル・フラワー・モノノケ・サミット
リスペクトレコード
1999-12-08



レヴェラーズ・チンドン
ソウル・フラワー・モノノケ・サミット
リスペクトレコード
1999-12-08



※大工さんのチンドンサウンドはこちらの2枚↓↓↓
ウチナージンタ OKINAWA JINTA
大工哲弘
オフノート
1994-07-24



ジンターナショナル
大工哲弘
オフノート
1996-06-23



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2021年08月25日

花*花の童神シングル盤

こんにちは!あやはびる堂の古田です。
今日は、これから、Attyさんのライブ配信『Tokyo三線ラジオ』が20時から。
当店あやはびる堂からの配信です。是非ともご覧くださいませ!
<Facebook> http://www.facebook.com/tokyosanshin/live

<YouTube> https://youtube.com/user/atyinwonderland

昨日、この配信に備えてオフィス内を片付けていたのですが、珍しいCDが出てきたので紹介します。
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みなさんは、花*花という女性二人組のユニットをご存知ですか?ミレニアム前後(2000年)に活躍したJ-Popアーティストで、「あ〜よかった」「さよなら 大好きな人」等の楽曲でヒット。紅白にも出場しているお二人です。こじまいづみさんとおのまきこさんの二人のユニット。二人ともキーボード弾き語りというスタイルによる、ツインキーボード体制は、当時の音楽誌で話題になっていたのを憶えています。

このお二人が、古謝美佐子さんの大ヒットナンバー「童神」をカバーしているのが上のCDなんです。このCDは、U.F.O(ULTRA FLOWER ORCHESTRA)とユニット名義を変えて、2002年にリリース。なんと、沖縄限定での発売だったとのこと。

実は、わたしは、このCDの発売時に、ちょうど沖縄に行っていたんですね。観光で行ったのか、仕事で行ったのか全く憶えていませんが、那覇の高良レコードで買ったのを憶えています。すぐに、レンタカーのカーステレオでかけたのを憶えていますね。いい曲だな〜と思いました。
というのは、わたしは、この曲を、古謝さんの正調バージョンよりも先に、この花*花バージョンを聴いたのです。なので、このバージョンがこの曲の入り口になっているんですね。三線は、キーボーディストでマルチプレイヤーの清水信之さんが弾いていますね。とてもレアなバージョンだと思います。

その後、花*花は翌年にメジャー契約が終了して一旦活動停止。その後、09年からお二人での活動を再開しているようです。Amazonでも、当時のこのCDを販売していますので、下記リンクを是非チェックしてみてください↓↓↓↓↓↓

童神
ULTRA FLOWER ORCHESTRA
インディーズ・メーカー
2002-10-03



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2021年08月17日

林昌さんのLive盤

こんにちは。あやはびる堂の古田です。
昨日のブログで、出演した映画【ナビィの恋】が遺作となった、嘉手苅林昌(かでかる りんしょう)さんに触れたので、今日は、嘉手苅さんのライブ盤をご紹介しましょう。

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このCDも穴が開くほどよく聴いた盤です。多分、ナビィの恋の上映があった直後に、初CD化されて買ったんだと思います。林昌さんが亡くなられて、この頃に多くの未発表音源がリリースされていた頃ですね。

録音は、1973年(昭和48年)8月20日。渋谷にあった小劇場ジァン・ジァン
わたくし古田が生まれた年でもあるこの頃、渋谷ジァン・ジァンでは、津軽三味線の巨匠・高橋竹山も出演していて、【北の竹山、南の林昌】といった感じで、定期的にこの二人が出演をしていたようです。この頃、日本中に南北の民謡ブームが興隆し、三線・三味線の音楽が流行した良き時代だったようです。

林昌さんといえば、なんといっても独特なスモーキーというかハスキーというか、あの歌声ですね。初めて聴いた時、「う〇こみたいな声!」と表現しておりました。こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが、そのぐらいぷんぷんと匂ってくる、泥臭い魅力にハマっていってましたね。

この人の名曲は、数多くあれど、やはり、2曲目の仲島節が素晴らしいです。
大昔、那覇にあったといわれる、仲島という遊郭を唄った曲。司会&太鼓の上原直彦が、
「(ニッポン人の皆さんは、言葉がわからないでしょうが)どうか、適当に思いっきり、イヤラシク想像してお聴きください。」
と、この唄を説明しています。沖縄返還間もない時代。このようなMCにも、この頃の時代背景がみてとれます。

大城美佐子を伴った「十九の春」「移民小唄」「軍人節」といった曲も素晴らしい。何度も聴きましたね。若き日の大工哲弘の「与那国しょんかねー」も聴けます。大工さんは、この頃からその歌声は完成されていましたね。

昭和の時代の民謡ライブ。島酒を飲みながら聴くと絶品ですよ!
※Amazonでチェックしてみてください↓↓↓
琉球情歌行
嘉手苅林昌
ビクターエンタテインメント
2000-02-23



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2021年08月16日

追憶〜【ナビィの恋】上映の頃

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こんにちは、あやはびる堂の古田です。
さて、今日は沖縄音楽界にとっては、おそらく最もヒットした音楽映画といえるでしょう。【ナビィの恋】のご紹介です。封切当時の思い出も含めて書いてみましょう。

この映画が上映となったのが1999年の12月。わたしは当時、銀座の楽器店通販部門に勤務。この99年の5月の連休明け頃だったと思いますが、新聞通販の企画商品として、【沖縄三線入門セット】入門ビデオ(VHS!!)付きで39,800円を発売。こちらの販売が大成功!大変営業成績も良く、年末も上機嫌で過ごしていたのを憶えています。

そんな頃に、12月始めに封切されたこの映画を、どのタイミングで観に行こうか、考えていたわけです。結局、年末も押し迫った、クリスマス過ぎた頃に観に行きました。しかも、仕事中に(笑)というのは、この時期になると、取引先である通販会社もほとんど正月休みに入り、我々の部署は暇しており、ちゃんと上司にも許可を取って行きましたね。まあ市場調査の一環として。

この映画、公開当初はまだそれほど有名ではなく、なんと単館上映!新宿の伊勢丹近くの映画館だけでやってました。なんといっても、民謡界のスーパースター・登川誠仁がほぼ主演ともいうべき配役。さらには、巨匠・嘉手苅林昌が、大城美佐子、息子の嘉手苅林次(バイオリン)、を伴って「十九の春」を劇中に何度も披露。林昌さんはこの映画公開を待たずにご逝去され、遺作となりました。八重山民謡界の重鎮・山里勇吉の「月ぬ美しゃ」も聴ける貴重なミュージカル映画といえます。

物語の内容はというと、不倫、下ネタ(笑)今のコンプライアンスではどうなのか(笑)わかりませんが、そういう人間の泥臭い面を、コミカルに笑い飛ばしている辺りが、沖縄っぽい作品といえるのではないでしょうか。こういう映画って、最近なくなりましたね。

主演の平良とみさんは、この映画での演技が評価され、2001年のNHK連ドラ【ちゅらさん】で全国区となります。わたしの仕事としては、翌年2000年の夏に、新宿パークタワーでの沖縄フェスティバル的なイベントが2週間ほどありました。CDと三線の即売を張り込んでやってました。そのフェスの最後の週末に、このナビィの恋を上映。この上映が大盛況で、暑い中、ビルの外まで行列ができていたのを憶えています。まさに、沖縄ブームのブレイクが始まる頃でした。

※下の画像をクリックすると、Amazonでチェック出来ます↓↓↓↓↓↓
ナビィの恋 [Blu-ray]
平良とみ
バンダイビジュアル
2009-07-24



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2021年08月09日

古田の人生を変えた本

こんにちは。あやはびる堂店主の古田です。
つい先日、沖縄音楽のガイドブックのお話を投稿しました。当店の書棚には、まあこういう仕事なので、いろんな本を常備してあるんですが、そういえば、一番最初に買ったガイドブックというのがあって、それについて紹介しましょう。
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この本は、銀座の楽器店通販部門に勤務していたサラリーマン時代。おそらく1998年の夏だったと記憶しています。当時、わたしは新聞通販向けの商品企画担当だったのですが、新たな商品として、アルゼンチンタンゴのCDボックスセットの企画に関わっていた頃でありました。タンゴ関連の書籍を漁りに、勤務中に日比谷公園にある図書館に行ったのを憶えています。でも、いま考えると、仕事に疲れてサボりに行ったんですね(笑)くそ暑いちょうど今ぐらいの時期、晴海通りをてくてく歩いて行ったんです。

図書館ってものすごくクーラーが効いてて、ずっと居られますよね。
それで、音楽関連の書籍コーナーに行って。ラテン音楽のコーナーでタンゴの本を漁ってたんですが、ラテンのそばにワールドミュージックのコーナーがあり、そこにこの本があったんですね!

当時のわたしは、アメリカの黒人音楽のブルースや、タンゴも聴いたり、そしてこの本をきっかけに沖縄の音楽や三線にも興味を持ち始めて、いろんな音楽に傾倒していく頃でしたね。ハモニカを始めたのもこの頃でした。

結局、タンゴのCDセットの企画はボツとなりまして(笑
翌年の春ごろから、三線の入門セットの販売をスタートしました。
なので、今に至るまでのわたしの職歴の舵を切った本ということになります。。。。

肝心の本の内容は、ライブスポットの紹介や、三線と沖縄音楽の歴史だったり、この当時の沖縄音楽シーンのことが書かれています。確か、この本で見て、初めての三線のCD新良幸人さんのライブ盤を購うに至ったんですね。

情報としては、やはり先日のガイドブック同様、20世紀末の内容なので古いと言えば古いのかもしれませんが、でも紹介されているCDは、ほとんどマスターピースに近い名盤が多いですね。また、このガイドブックを参考に、いろいろ聴いてみようと思います。

一応、Amazonにも中古品があるようです。是非下の画像をクリックしてチェックしてみてください↓↓↓



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2021年08月07日

ハウリング・ウルフ

こんにちは。あやはびる堂店主の古田です。
今日は、誠小(せいぐゎ)こと登川誠仁先生のCDのお話です。

※ジャケットをクリックすると、Amazonでチェック出来ます↓↓↓↓


このCDもたぶん、銀座わしたショップで手に入れたんだと思います。沖縄音楽の聴き始めの頃には、随分聴いたものですね!アメリカのシカゴブルースの歌手から由来しているジャケットのタイトルとデザイン。根っからのブルース好きだったわたしにとって、このジャケだけでも垂涎ものでした。

テルリンこと照屋林助さんと掛け合い漫才のように、誠小とのユンタクを繰り広げつつ、合間に曲が入るという構成。2枚組のCDです。そのユンタクは沖縄訛りの標準語が基本でありつつ、どちらかがウチナー方言で話しかけると一気にスイッチ入って、何を云ってるのかわからない異国モウドに入るという(笑)その一連の会話の流れが面白くて、ずっと聴いていられます。さらに、年号などは英語も入ってきますね。たとえが、1969年とかは、「ナイリーンシックスリーナインにはよ〜」とか言ってますから。その頃は米軍統治下だったためか、昭和何年とかいう概念が出てこないと推測されます。

肝心の音楽の方は、これまた今となっては変則的なバンド編成。誠小自身の歌と六線(三線を複絃にした戦後に開発された楽器)、松田弘二さん(お兄さんは民謡の大御所松田弘一)のエレキギター、そして仲本興次さん(従兄弟はドリフの仲本工事)のドラムス。そこにテルリンがたまに太鼓とお囃子で参加。ベースがいない分ある意味民謡的。でもそのスカスカ具合が、ブルースな感じもあり、わたしには絶妙なサウンドでした。

ドラムスだけをバッキングにリバーブたっぷりかかった唄三線を聴かせる、【戦後の嘆き】は名バラードであります!米国のスタンダード歌手ビング・クロスビーの「Pistol Packin' Mama」のカバー【ペスト・パッキン・ママ】は、50年代のコザの基地にて黒人が歌っていたのを、耳コピしたもの。結果デタラメ英語と言われていますが、沖縄の人がレストラン等で、お水(お冷)のことを“アイスワラ”というのをきくと、意外と耳コピの方が通じている歌詞なのかもしれません(笑)

戦後の占領時代の沖縄音楽って、おそらくこのCDのような感じだったのかもしれませんね。エレキのアンプサウンドも、米軍経由で、本土よりも早かったのかもしれません。アメリカのジャズやスタンダードのカバーあり、沖縄の本来の民謡も混じって、歌謡曲もありつつ、いろんな音楽が混ざっていた。この当時の音楽を具現化しているのが、この誠小の2枚組なのかもしれません。

※ジャケットをクリックすると、Amazonでチェック出来ます↓↓↓↓


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2021年08月01日

国本武春さんの三味線音楽

こんにちは。あやはびる堂店主の古田です。
最近、あやはびる堂で仕事やりながら、
よく聴いているCDが、下記のこれ↓↓↓↓↓↓↓
※ ジャケットをクリックするとAmazonでチェックできます ※
アパラチアン三味線
国本武春&ザ・ラストフロンティア
SPACE SHOWER MUSIC
2006-11-01



わたしが三味線という楽器に近づいたきっかけは、間違いなくこの武春さんの音楽なんですね。
西洋と日本の、おなじようなブルース感というか、そういうものを三味線という楽器が元々持っていたというか。そういうものを、いち早く具現化していた音楽家なんだと思います。
三線もそういうところあるんだと思います。

音階も含め、リズムも含め、その雰囲気もすべて具現化していたのが、武春さん。
タモリの音楽は世界だ!という番組で、シカゴブルースの巨匠・バディ・ガイと圧倒的な即興演奏で見事に対等に共演している!


伝統的なものの継承はもちろん大事。武春さんのような、三味線の持っているポテンシャルというか、音の雰囲気というか、そういうのを他の国や文化の音楽にぶつけて、新しい三味線スタイルとして提示していくことも大事。

あやはびる堂と我々は、そこも探求できたらいいなと、思っています。残念ながら、武春さんは6年前にお隠れになられましたが、今いる我々が、武春さんの考えていたことを、なんとなくフォロウできたらと、思っています。

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〒130-0024
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ファクス 03-3633-3814
mail shop@ayahabirudou.shop-pro.jp

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2021年07月25日

わたしが初めて買った三線のCD

こんんちは。あやはびる堂の古田です。
先日の連休初日にティーガーの交換でご来店されたお客さまと、作業しながら沖縄音楽談義になりました。

お客さま「よくバチを持たずに演奏している唄者さんがいますが、なにで弾いているんでしょうか?」
わたし「いますねー!人差指の爪を伸ばして、その爪で弾いてるんですよ。」

と言って、一つのCDの中ジャケットをおみせしたのが、新良幸人withサンデーのライブ盤↓↓↓
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このCDを購入したのは、楽器店通販部門に勤めてた頃の99年の初頭頃に。これから通販で三線を販売しようとしている際に、どんな音楽なのかを聴いてみようと、銀座わしたショップで手に入れました。わたしが初めて聴いた沖縄音楽、三線音楽のCDですね。

裏ジャケットで着ている二人の服装。ライブレコーディングされた場所が、今はなき那覇市松山のライブハウス「酔ing」。そういう要素が、三線という伝統的な音楽のCDというよりも、ロックとかブルースとかの洋楽的な雰囲気がある音楽のように思えた、そういう記憶がありますね。

実際にCDを聴いてみると、三線と太鼓が縦横無尽に即興演奏している部分もある。カチャーシー曲(10曲目アブジャーマ)では、ノンストップで続いていくダンスミュージック的な要素もある。そういうところも、とても洋楽的だったのを思い出します。

早弾き曲での、幸人さんの三連符の三線が、まるでディレイでも掛けたかのような心地よさ!気持ちいいですね!!

<収録曲>
1.ゆんたく(川満聡シェンシェイによる前説)
2.しらほ節
3.真謝節
4.ざんざぶろう/高那節
5.安里屋節
6.夏花
7.パピル節(綾蝶)
8.崎山ゆんた&みなとーま
9.MAYA-GuA(猫小)
10.アブジャーマ

中古ですが、Amazonで販売しているようです。
下のジャケット画像をクリックしてチェックしてみてください。↓↓↓

春夏秋ちょっと酔ing
新良幸人withサンデー
インディペンデントレーベル
1995-04-21



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2021年07月21日

沖縄ブーム・ブレイク直前の入門ガイドブック

こんにちは!あやはびる堂の古田です。
今日は、わたしが、初めて三線を手にした頃に手に入れた、沖縄音楽のガイドブックをご紹介します。

今から20年以上前、とにかく片っ端からCDを聴いてみよう!、と銀座のわしたショップのCD売り場(当時のわしたショップは1階フロアのみ)を覗きにいったりしたんですが、なかなか全容が把握出来ない。当時はまだそれほどインターネットが普及していなかったので、ガイドブック的なものに頼るのが得策だったんです。

その時に入手したのが、音楽之友社が出版していたムックでした↓↓↓


この本には、沖縄の民謡からポップスまでの名曲101曲の歌詞が掲載。さらに、筑紫哲也さん、宮本亜門さん等の各界の著名人から、知名定男さん、登川誠仁さんといった沖縄界の重鎮まで、沖縄県内外を問わず、実に様々な方の文章で、各曲が解説・紹介さています。残念ながら工工四はありませんが、巻末に、これまたあらゆるジャンルのCDガイドがあって、わたしはこのガイドを参考に買っていました。今も、その痕跡というか、鉛筆で丸や線を引いてありますね。

この本が出版されたのが、1998年10月。実は、まだBIGINが三線を手にして再ブレイクする直前のガイドブックなんです。2001年に夏川りみさんの『涙そうそう』がリリースされるので、この本には、『島人ぬ宝』『オジー自慢のオリオンビール』(ともに02年発売)といった、今ではウチナーポップの定番曲が、まだ掲載されていない。つまりは、沖縄音楽ブームのブレイク寸前のガイドブックといえるでしょう。

にもかかわらず、今この本に掲載されている曲を眺めてみても、民謡もポップスも定番的な歌が名を連ねている感じがあって、基礎的な入門指南書として今でも通用する本だと思います。

わたしがこの本を手に入れたときは、まだ楽器店の通販部門に勤めるサラリーマンでした。この本を手に入れた10年後には、三線ライブを企画運営する立場になり、さらに実際にギターを抱えて演奏したりもするようになります。


わたしは、この本に掲載されている曲たちのなかで、はたして何曲演奏したことがあるか?


101曲のうち、実に45曲は実際にライブ等で演奏したことのある曲であることがわかりました。わたしですら演奏したことがあるような有名曲が、沖縄諸島には残されていることに、あらためて驚かされます。

久しぶりに、このガイドブック片手に、CDを聴き漁ってみようと思います。


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2018年04月18日

思い出の一枚



こんばんは!あやはびる堂の古田です。
久しぶりに沖縄のアルバムを一枚ご紹介します。
今から遡ること18年前。2000年の夏。当時わたくしは某楽器店の通販部門に在籍していて、そこで三線や、津軽三味線といった和モノ方面楽器の担当しておりました。ひょんなきっかけで、新宿パークタワーで行われる沖縄物産店にて、沖縄モノのCD販売をしてほしいというご依頼がありました。7月から8月の1か月間程、パークタワーの1階アトリウムの沖縄物産展で、この年のひと夏を過ごしました。

その頃のわたしは、三線の販売をするも、沖縄の民謡とか音楽とかにはそれほど精通していたわけではなかった。ですので、紹介してもらった沖縄の取次店2、3社からすすめられた一通りのカタログ商品を委託で送ってもらい、会議室テーブル2枚にお店を広げていたわけです。

会場側から、にぎやかしも含め、催事のあいだは音をかけるよう言われまして。1枚商品を無駄にするのも惜しいなあ、と思いつつ、確かに音鳴ってなきゃCDも売れるわけないか。。。と思い、なにもわからず、真っ先にセロファンを剥いて取り出したのが、上画像の大島保克さんの『北風南風』でした。

1曲目から、吸い込まれるようなインパクト!ご存知名曲の“イラヨイ月夜浜”。この曲を初めて聴いた時のインパクトは忘れません!素朴な三線の音に、突き抜けるような大島さんの歌声に、あの夏の日の新宿パークタワーを思い出します。

さらに私が好きな曲が、2曲目の“祭”
BIGINの島袋さんと思われるスライドギターから始まり、おそらく大島さんご本人であろうアコースティックギターの連結フレイズに繋いでいく。この曲には三線も入っていませんし、島の言葉も出てこない。ところが、サビの部分になって加わってくる笛と女性の歌声が、もの凄い島っぽさを感じずにいられないのです!
やえやま感、はんぱないっす!!

中盤は、ドがつくような、渋くブルージーな八重山民謡のオンパレード。7曲目の“美田良浜”は、このCDで聴いて以来、まったく聴くことがなかったのですが、数年前に、世持桜さんのライブで歌われていて、ほんと、十数年ぶりに!久ひさしっぷりに聴きました!
あれ?!なんか、この歌聞いたことがある!!

このCDのバックジャケットに、special thanksの欄に杉山清貴さんのお名前がクレジットされているのです。このアルバム、各曲ごとに演奏者クレジットが書かれていないのですが、おそらく1曲目のイラヨイ月夜浜の終盤の掛け合いで聴かれる声が、杉山さんぽいと思うのですが、実際はどうなのでしょう?!
ラスト“海人ブギ”ではおそらくBIGINのメンバーも参加していて、栄昇さんの歌声も聴こえてきます。

10年ほど前に、有明の展示場でイベントがあって、私もたまたまそこにスタッフとして居合わせたことがありました。そのイベントでは、りんけんバンドの照屋林賢さんと上原知子さん、そして大島保克さんがそれぞれステージを務めることになっていて、楽屋で控えていたんです。我々スタッフは林賢さん達の楽屋にいさせていただいてたのですが、あまりの待ち時間の長さにしびれを切らしたのか、独りで自身の楽屋にいらした大島さんがこちらの部屋に入ってきて。。
その後3時間以上、わたしたちは、林賢さん、大島さん達とお話していました。作曲方法のお話とか。ギターで作るか、三線で作るかという話題になったりして、とても興味深かったです。

あの夏を思い出させてくれるこのアルバム。
わたしにとっては、とても思い出深い一枚です。

本日はお休みいただきました!
明日はショウルームオープンいたします!
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2018年02月21日

照屋林助さんの自伝

こんにちは!店主の古田です。
うちのショウルームにある本棚に、懐かしい書籍が収まってるのを今日発見しまして。。。
思わず手に取ったので、ご紹介します。


ご存知“てるりん”こと照屋林助さんの自伝。
この本は、たしか20年前、私がサラリーマンやってた頃に当時香港に出張があり、その際に飛行機で読もうと思って、当時沖縄の音楽に興味が出てきたところで、この本に巡り会ったんですね。
そして、このてるりんさんの自伝の中には、いい時代の沖縄のシーン、音楽や芸能のシーンが盛り沢山で、いろんな要素が詰まっています。

・アメリカ占領時代の沖縄
・米兵が持ち込んだエレキギターの話
・ワタブーショウの台本(ところどころに工工四が書いてあり、Dmといったギターのコードネームが書いてある)
・DIY感覚の、レコード会社の運営、ラジオ番組の制作風景
・息子である林賢さんとギター弾いてセッションしている写真
・電気四味線(ゆんしん・絃が4本ある)の話

などなど、とにかく、戦後のアメリカ占領下の沖縄の、昭和の懐かしい風景と、アメリカの音楽文化が入り込んできたようなチャンプルーな、豊潤な沖縄音楽・芸能文化の背景がたくさん詰まっている名著です。
私も、20年前にこの本を読んだのがきっかけで、こんにちまでこのような仕事をしております(笑)

是非とも沖縄音楽・民謡ファンの方、あるいは、これから沖縄の音楽に取り組もうとされている方にも、オススメであります!!

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※明日2月22日木曜日、あやはびる堂はお休みをいただきます。
ショウルームと商品の発送等がお休みとなります。
ネットショップでのご注文、お問い合わせ等は通常通りお受けいたします。
何卒よろしくお願いします。





posted by あやはびる堂の古田です! at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | Amazon

2018年01月18日

里国隆/路傍の芸



こんにちは。店主の古田です。
さて、今日から、アマゾンのサービスを使って、いろいろと沖縄音楽だったり、三線、三味線の音楽のCD等のアイテムをいろいろご紹介していきたいと思います。さて、第1弾。。

といいながら、沖縄でも三線でもなく、奄美大島の唄者、里国隆の音楽を。
私自身、このCDと巡り会ったのは、まだ20世紀、1999年ぐらいのことかと。。
もう20年近く前ですね。。。

しかも、このジャケットの写真の通り、三線ではなく、鉄弦を張った竪琴
日本のお筝の半分ぐらいの長さのものを、床に置くのではなく左手に抱えて立てて、右手で弦を奏でるのです。さらに、このかたのスタイルは、左手に四つ竹を挟んでいて、リズムを刻みながら竪琴を弾くという。。。

なにせ、ジャケットの画像の風貌が物凄い印象的でした。盲目の音楽家でサングラスをした姿は、レイ・チャールズのようなルックスで、なにやら竪琴を傍らにシャウトしている。。

この里国隆さんは、1918年奄美大島笠利の生まれ。幼い頃に失明。唄者で知られた祖父・里赤坊のもと育てられシマ唄を習得。その後12歳より樟脳売りの行商についていきながら、路上の大道芸として竪琴の弾き歌いを始め、喜界島、徳之島、そして沖縄本島に漂白。

戦後は1975年に、竹中労氏の誘いを受け、琉球フェスティバルに出演。一躍話題を集める存在となる。

このCDの音源は、1985年那覇の平和通り商店街での路上でのパフォーマンスを、録音したもの。
実際には、シマ唄は少なく、日本本土の民謡や、自作の曲など、それらがごった煮になったような“昭和な趣”が堪らない音源です。

また、このブログ上でもご紹介しますが、里国隆さんは、実は三味線の名手でもあり、六調等での撥捌きはものすごく、そういうCDも出ていますので今度紹介します。

私も最近、本当に十何年振りに聴きまして、ドスの効いたダミ声に時折織り交ざる奄美特有のファルセット、そして竪琴の透き通った音色と、なかなか今の世の中にはない音楽アンサンブルです。
是非とも、上記ジャケットをクリックしてアマゾンで購入してみてください。

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