さて、今回のブログのテーマは、ペグ式三線についてです。
実は、先日ショウルームに御来店されたお客様がおっしゃいました。
「ペグ式の三線というのは、邪道ということになるのですか?」
おそらく、このお客様は他の販売店なり、あるいはお教室なり、あるいは三線仲間の同志の方等から、そのようなことをお聞きになられたのかと思います。伝統的な三線文化や沖縄音楽の文化を尊ばれる方々からしてみれば、やはり、こういう新しい機能については【邪道】ということになるのかもしれません。
しかしながら、弊店に限らず、他の三線店においても、それぞれのアイデアと工夫でそれぞれペグ式の三線を開発して、販売していらっしゃいます。これについては、私の見解としては、やはり、「お客様のご要望・ニーズがある」ということなのだと思います。
弊社が創業当初、独自のペグ式三線として、凛音や綾蝶を開発した時、実に「弊社の三線こそが完璧な楽器だ!!」と自負しながら、営業をしてきましたが、長いことお客様の声をお聞きしてくると、ペグ式を好まないお客様もいらっしゃることに気付いたのです。
その理由としては、
・伝統的な形を重視する
・ちんだみ(調絃)出来てこそ唄三線、ペグ式だと従来の三線のちんだみが疎かになる
・音が変わってしまう(金属部品が内蔵されるため)
等々、実にさまざまな理由をお聞きすることが出来ました。
ですので、私たちは、ある時期からこのペグ式の楽器をイチオシするのではなく、あくまで、いろんな楽器がある中での選択肢として取り扱う方向へと、方針を変えています。
やはり、ご自身の三線に求めるモノというのは、人それぞれ十人十色なわけで、私たち販売店の務めは、この多様なニーズにお応えできるよう可能な限り選択肢を準備しておくことが重要だと考えています。
さて、弊店では、現在2つの方式によるペグ式三線を販売しております。

こちらは、先ほどご紹介した綾蝶のペグ式です。糸蔵の中の部分に、GOTOH社製のバイオリンのペグを内蔵しています。糸蔵の両サイドの壁面に圧をかけることによって、戻りにくさを実現しています。

一方、こちらは、最近販売を開始した、真牛(もーしー)です。
こちらは、日本の三味線に使用される、福林(フクリン)と呼ばれる輪状の金具をはめることによって、戻りにくさを実現します。厳密にはペグ式とは呼べないのですが、伝統的なカラクイが使用できるので、カラクイの交換もお好きなものをお選びいただけます。
これら、ペグ式三線の利便性は、やはり狂いにくいちんだみにあります。
さらに、ちんだみを変更する(例・本調子から三下り等)際に、スピーディーにスムースに変えることが出来ます。とかく、このような場面・シーンが必要とされる方には、やはり便利だと思います。
実用性としては自分はペグ式がいいです。
主にアンサンブルで三線を弾くので、
ライブ中、3回キーを変えるのなんてざらですので
ヴォーカルさんにMCでつないでもらって
こそこそちんだみしてます。
CからFに変更する時とかけっこう手間です。
しっかり噛むようにしないと演奏中に空回りして
えらいことになっちゃうし。
欲を言えば、ギターの様にcapoで簡単に調整
できちゃえばいいんだけど。。。
コメントありがとうございます。
ちなみに、日本の三味線には、枷(かせ)という、カポに似た器具がございます。ご参考までに
http://ameblo.jp/fujimoto-sae/entry-10865416601.html